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10月20日「財政制度審議会財政制度分科会 歳出合理化部会及び財政構造改革部会合同部会」に提出された財務省資料の不適切さに関するコメント
2005年11月8日 日本私立大学教職員組合連合 中央執行委員会
昨年度公表された「平成17年度予算の編成に関する建議」(04.11.19)は、学生数の減少を理由に私大助成の削減を建議するという驚くべき内容であったが、その根拠となった学生数の減少は極めて恣意的・意図的な数字が用いられていた。 今回の提出資料は、そのサブタイトルに「人件費の圧縮等の経営努力」と書かれ、人件費の削減を求める資料となっているが、昨年同様、お粗末極まりない資料と断ぜざるを得ない。 日本私大教連中央執行委員会は、標記資料について相当の問題点があると判断し、以下のコメントを表明するものである。 なお、議事要旨・議事録が公表された段階ならびに「平成18年度建議」が公表された段階で、正式見解を表明する予定である。
1.学生数の不適切について 20ページ「2.在学生数」 欄外の注記に「3.在学生数には、大学院・専攻科・別科の学生を含む(聴講生・研究生・実習生を除く)」とあるが、カッコ内の学生数も含めるべきである。 生涯学習や社会人教育は教育政策,人材養成政策、地域活性化政策などの柱になっており、私学はその受け入れ等を積極的に行っている。文科省の毎年度の「学校基本調査」は、それらを含んだ学生数を記載している。私立大学は、聴講生だからあるいは研究生だから、例えば、経費は半分しか使わないなどということはしていない。講義等は他の学生と一緒にするわけだから、経費的にいえば同等に支出している。したがって聴講生・研究生・実習生を学生数から除外する必然性はどこにもない。
2.経常費補助の一括り表記は誤解を与える 22ページ「(3)私立大学等経常費補助予算と学生数の推移」 学生数には、上記に指摘したように、聴講生・研究生・実習生を加えるべきである。 左右軸の単位の刻みの意図的・恣意的な設定は噴飯ものであるが、それはともかく、「経常費補助」を一括りにしては実態が浮かび上がってこない。経常費補助の「特別補助」と「私立大学教育研究高度化推進特別補助」は申請・採択制になっているので、全学生に私大助成の効果が及ぶわけでない。むしろ経常費補助のうち「一般補助」が基盤的経費補助であるから、私学助成の趣旨に合致しており、私学助成の変化を見るのであれば一般補助予算額を使うべきである。少なくとも、「一般補助、特別時補助、私立大学教育研究高度化推進特別補助」の3本立てにして正確に表記すべきである。このような作為的な臭いのする図表はつくりかえるべきである。
3.意図的・作為的な24ページ「(5)私立大学等経常費補助と私立大学等在籍者数の推移」の図 学生数の取り方、経常費補助の取り方とも、すでに述べた問題点を含んでいるので、この表は意図的・作為的とさえいえる。
4.小学生の議論をするつもりか 27ページ「(8)私立・国立大学等における物件費支出の動向」 学生数の取り方は繰り返し指摘しなければならないが、その前に、この表は何を言わんとしているのだろうか。教育・研究条件等を改善すれば物件費は当然に増額する。消費者物価が下がっているから物件費も下がってしかるべきだなどと、小学生のような議論をするつもりなのだろうか。むしろ私学の教育・研究条件は国立と比較すれば目を覆うばかりの惨状であって、物件費は全く足りていないのが実態である。また指数ではなく、実額表示すべきである。そうでないと実態は霧の中だ。 それとも物件費(一応教育・研究条件の整備費として括るとして)について、私立大学は次の図にある人件費と比べて、限られた財源のなかでも努力をしていると、称賛するつもりなのであろうか。
5.28ページ「(9)私立・国立大学等における人件費支出の動向」 学生数の取り方の不適切さは繰り返し指摘しなければならない。 この図は「3.私学助成」のサブタイトルになっている「人件費の圧縮等の経営努力」を多分、ストレートに表現しようと意図し、私大の賃金は右肩上がりに上がり続けていると言いたいのだろうか。あるいは、前掲物件費の図と対比して、人件費の圧縮に努力しているとでもいうのであろうか。後者はありえない。意図するところは前者であろう。 人件費総額が増加している要因分析もせず作成しているとすれば、全く作為的としか言いようがない。 一つだけ例示するが、本務教員は94年度と03年度比で9.0%増員(本務教員は短大を含んで87,953名が95,852名)されている。 ちなみにこの結果、4大では教員一人当たり学生数が25.9人から24.5人にわずかに改善、短大は27.3人から19.7人に改善された。9年の間にこの程度の改善しかなされていない事実こそ強調されなければならない。 人件費総額のみを見てその動向を表現するのは木を見て森を見ない議論と同じである。むしろもっと大幅に改善されなければならないのであるから、10年間で指数が115.8にしかなっていないことを財務省は恥じるべきである。
以上 (資料の所在)
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