第18回全国私大教研、盛会のうちに幕 (概要報告)

 

大型台風が九州を縦断した直後の84日から6日、福岡県・久留米大学を会場に、第18回全国私大教研集会が開催されました。 

「戦後レジームからの脱却」を標榜する安倍政権(*集会開催時)により、憲法改悪が具体的な政治日程に上り、また小泉構造改革以来の「大学改革」政策が着々と進展させられる状況において、今次研究集会は“火の国にて、平和と大学の原点を問う”をメインテーマに、今日における平和と民主主義の原点を探りあてるとともに、わが国の高等教育のあり方を追求することを主題として掲げ開かれました。猛暑の中、全国66大学・短大から参集した238名の参加者が、3日間を通して豊かな学習と討議、交流を行い、集会は大きな成果を残して成功裡に幕を閉じました。

■ 開会集会(84日)

(挨拶する早川委員長)

 

 まず主催者を代表して、早川弘道・中央執行委員長が挨拶に立ち、「私大教研ルネサンス」と位置づけた昨年の集会から1年間のたたかいの中で、私たちが「新しい運動の質量というものを獲得しつつある」と述べ、それを踏まえた今回の集会テーマに触れつつ、「3日間を通して凝縮した濃密な熟議の時間と空間を尽くして、大学について、そして生き方について、社会について、世界について論じ合い、考え合おう」と訴えました。

 ついで来賓として、久留米大学の薬師寺道明学長(矢野佳運・事務局長により代読)、同教職員組合の谷川仁執行委員長、全大教の村井淳志副委員長が挨拶を行いました。

<基調報告>

 続いて、野口邦和・教研部長が小泉「構造改革」とその「大学政策」を検証すると題する基調報告の要旨を報告しました。基調報告は、国民に多くの犠牲を押し付けた小泉「構造改革」の実態を整理するとともに、その主要な柱の一つとして展開された「大学・大学院改革」の実相を明らかにし、また小泉「大学改革」のその後にまで言及し、私たちの<大学づくり>運動の方向性を示すものでした。 (基調報告Word版ダウンロード

<記念講演>

(「モノ語り」する水島朝穂先生)

 

 基調報告ののち、早稲田大学法学部教授・水島朝穂氏により、「21世紀の平和・民主主義、そして憲法―いま、九州の地から考える―」と題する記念講演が行なわれました。講演は、自衛隊の小牧第1航空輸送隊の隊員がイラクに行ったときにかぶっていた「帽子」や、ヘリコプター搭載護衛艦「くらま」の隊員が作ったTシャツなどの「モノ」を使っての、「九州の地から考える」ことの歴史的・今日的意義を含めた「いま」を診る「モノ語り」に始まり、豊富な経験と幅広い知識を織り交ぜて時間と国を行き来しながら、「改憲」をめぐる諸問題の深層に縦横に切り込んでいくものでした。それは、憲法の本質的性格である権力制限規範性の問題、9条2項を変えて何が悪いか―その3つの理由、今日の国際社会の中で9条を変えないことの意味、そして改憲と大学との連関に及ぶものでした。水島氏の巧みな語りと斬新な視座、鋭い問題提起に、参加者からは多くの感銘の声が寄せられました。

・・・・・・・・・・

 開会集会後は、学内においてビアパーティーが開かれ、およそ170名が初日の感想や日々の問題意識や活動の状況などを語り合い、ひと時の交流を楽しみました。

■ セッション

5日、6日は、私たちの活動を進める上で不可欠な課題をテーマにした8つのセッションが設けられ、それぞれのセッションで学習・討議が活発に行われました。

記念講演全文とセッションの概要は、11月発行予定の「日本の私立大学No.18」に掲載されます。

*写真提供=山田実(大阪芸大)