再び学生を戦場に送るな!有事法制三法案に反対する声明

2002年4月27日
日本私立大学教職員組合連合

 

 21世紀入って日本国憲法の大原則である平和と民主主義、基本的人権の保障が最大の危機に直面しています。それが今国会に上程された有事法制三法案(「武力攻撃事態法案」「自衛隊法改正案」「安保会議設置法改正案」)であることはいうまでもありません。その内容を一言で言えば、憲法を事実上停止し、米軍と自衛隊に特権を与え、国民の権利を奪って、戦争への協力を罰則をもって強制するものです。

■ 有事(戦争)にそなえた戦争国家づくりに反対します。
 日本国憲法では、「憲法の枠内」での有事法制などというものは存在する余地はありません。有事法制を持たないことが現行憲法の平和原理をなすものであります。
 それにも関わらず政府は、1999年の「周辺事態法」の成立、2001年9月の「テロ問題」への対処を口実にして無法な戦争と軍事介入への政策を強めてきました。今国会に上程された有事法制三法案は、戦後に、日米安保体制のもとで憲法を蹂躙し自衛隊を創設して以来、日米政府が一貫してねらってきた野望を実現しようとするものです。 特に「武力攻撃事態法案」は、武力攻撃だけではなく、「おそれのある場合」を含み、アメリカ軍が戦争を始めた「周辺事態」で、首相が「攻撃されると予測される」といえば、有事立法が発動できるのです。そして、自治体・民間に対する強制力をもつ指示・執行命令を決定するのも首相です。文字通り首相が全権を掌握するのです。

■ 有事(戦争)の名のもとに「自由と人権」を侵害することに反対します。
 この有事法制三法案は、戦争のために国民の権利を無視して強制動員する国家づくりを目指しています。たとえば、自衛隊が必要とする物資の保管命令に民間人が従わない場合、罰則(懲役6ヶ月以下、罰金30万円以下)を与えることになっています。自衛隊の民間に対する権限は飛躍的に拡大することになります。
 またNHKも「指定公共機関」として国への協力が義務づけられ、有事に対する批判的な報道は許されないというかつての「大本営発表」の悪夢の再現になりかねません。
 かくして戦争準備のために日本の統治手段の中に軍事力を組み入れ、今後起こりうる政治的・経済的混乱に備える体制づくりを目指すことになりかねないのです。

■ 教育による戦争国家づくりに反対します。
 日米軍事同盟を優先させる政府のもとで「自由と人権」を守り、日本の軍事大国化を遅らせてきたのは、国民の努力の貴重な成果であります。
 しかし、有事立法が成立すれば、平時から戦争国家づくりが開始され、戦時に協力できるか否かで思想統制が行われるかもしれないし、学校では有事立法の意義や有事への備えを教えることになりかねません。そして大学もまた軍事につていの研究や教育に協力させられることになるかもしれません。再び学生を戦場に送ることのないように、わたしたちは、憲法守り発展させ、『戦争国家』ではなく『平和国家』を求めます。有事立法三法案には断固反対します。

以上