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文部科学省2002年度(平成14年度)私大助成概算要求への見解
2001年10月16日
日本私大教連中央執行委員会
文科省は本年8月24日、2002年度(平成14年度)概算要求を公表しました。注目された私大経常費補助は、一般補助2225億4900万円(対前年比30億円減)、特別補助602億100万円(同285億減)、新規の特別補助として私立大学教育研究高度化推進特別補助572億円(構造改革特別要求分含)、合計3399億5000万円(同257億円増、8.2%増)となっています。特別補助の私大経常費補助予算に占める割合は、新規分を含め34.5%で昨年比6.3%増と大幅に増えています。一般補助と従来の特別補助の減額要求は、経済財政諮問会議方針にいう「機関補助に競争という観点」を強化することと、財政再建・構造改革方針から一律10%のマイナスシーリングがかぶせられたもので、2001年度私大経常費補助予算の10%に相当します。
なお新規特別補助の私立大学教育研究高度化推進特別補助572億円は、9月に内閣による査定により393億円に減額されたため、私大経常費補助概算要求総額は3220億5000万円となりました。
来年度概算要求は要求額として大幅増になっていますが、しかしその内実は私たちの要求するもとはほど遠く、かつ危険な内容を持っています。特に重大な問題を持つのは、新規要求としてだされた「私立大学教育研究高度化推進特別補助」です。これは、従来の特別補助の中に組み込まれていた「高度化推進特別経費」等を組み替えたものと説明されていますが、問題はそこにあるのではなく、文科省「直轄」予算となる点です。すなわち私学振興・共済事業団を経由せず、直接文科省が審査し直接各法人に交付されるものです。その政策目的は「閣議決定された経済財政諮問会議の方針等を踏まえ、競争原理を導入しつつ、世界最高水準の私立大学づくりを目指す」(文科省高等教育局私学部平成14年度概算要求私学助成関係予算の説明)ことにあります。まさに「国策遂行大学」づくりのための予算で、国家に大学を従属させる目的が明らかです。この政策目的はいわゆる「遠山プラン」のトップ30大学づくり(概算要求額は422億円)と同一です。
小泉内閣は特殊法人の民営化・統廃合を打ち出していますが、私学振興・共済事業団も統廃合の対象にあげられ、従って私大助成は文科省直轄予算とならざるを得ず、来年度概算要求での上記新規分はその一里塚といえる性格も併せ持っています。
以上から日本私大教連は、@来年度概算要求での一般経常費補助の減額分の回復、A文科省「直轄」予算である「私立大学教育研究高度化推進特別補助」を従来の特別補助に戻すことを要求するものです。
さらに来年度概算要求で看過できないことは、日本育英会奨学金事業を大幅に後退させるものとなっていることです。すなわち無利子奨学金貸与数16000人分減の406000人とする一方で、有利子奨学金(きぼう21)分を61000人増の292000人とするものです。
日本の奨学金事業は、世界の先進国中でも際立って貧弱なもので、G7(サミット)のなかで給費制奨学金を持っていないのは日本だけという状況があります。この貧弱な奨学金事業をさらに後退させるという許し難いものです。「きぼう21」はその利子負担が過重で、10万円コースを借りた学部学生は利子込みで600万円以上の借金を背負って卒業することになります。余りの負担に多くの父母は、「申し込むことを躊躇する」「借金の額を考えると申し込めない」と、率直に語っています。
小泉内閣は加えて、日本育英会が民業を圧迫するとしてその民営化方向を打ち出しています。そうなると市中金融機関の教育ローンが日本育英会奨学金に取って代わり、担保・保証人などが必要になってきます。それらが用意できない学生は利子付教育ローンさえ借りられなくなります。経済的に恵まれない学生は、いま以上に大学に進学できない事態を生みます。多くの父母・学生が、小泉首相の「痛み」の強制から逃れられなくなります。
日本私大教連は、給費制奨学金制度の創設や学費直接助成を含む学費負担軽減策の即刻実施を強く要求するものです。
以 上 |