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労働法制の改悪に反対する声明
2007年2月27日
政府・与党は、労働法制の大規模な「改正」に着手しています。今次の労働法制改編は、パートタイム労働法や最低賃金法改正など、極めて不十分ながら多少の改善が含まれるものの、全体としては、財界の要求を色濃く反映させ、法的規制を緩和・撤廃することを中心とするものであり、深刻化している労働諸問題を一層悪化させかねないものです。 厚生労働省は、「自己管理型労働制」(日本版エグゼンプション)導入、時間外労働割増賃金の見直しなどを盛り込んだ労基法「改正」案要綱を示し、労働政策審議会に諮問しました。2月2日の同審議会答申でさえ、労働者側が反対する同制度導入・裁量労働制見直しと、使用者側が反対する割増賃金引上げを除き「おおむね妥当」とする異例のものであり、問題が極めて大きいことを示しています。 要綱は、エグゼンプション導入と「企画業務型裁量労働制」適用拡大により、労働時間規制を大幅に緩和し、長時間労働を放置・促進するものであり、断じて容認できません。エグゼンプションは、多くの労働者を労働時間規制から除外して残業代を取り上げ、労働時間の管理責任を労働者に押し付けるものです。「自律的」「自由度の高い」「自己管理型」などと形容しようとも、過重な仕事による長時間労働、サービス残業が蔓延し、健康被害や過労死が増大する現実をみれば、「自律的」労働など虚妄に過ぎません。制度導入の目的は「働き方を変える」ことなどではなく、残業代カットによる人件費コスト抑制と「成果主義」の徹底にあることは明白です。安倍政権は、国会上程を見送らざるを得ない状況に追い込まれながらも、財界の要求に応え同制度導入に固執する姿勢を崩していません。 一方、同制度に対する批判の中で、政府・与党も時間外割増率の引上げを口にせざるを得なくなりましたが、要綱の内容は長時間労働抑制に資するものでは到底ありません。報道では、過労死ラインと言われる月80時間超に限り割増率を50%に引上げるとされていますが、この基準設定自体、厚労省が長時間労働を抑制する気がないことを表すものです。また要綱では、月45時間以上については労使協定で25%を超える割増率にするよう努力することを示すのみで、これが実効性を持たないことは自明です。私たちは、このような不見識な施策を「残業代ゼロ法案」と抱き合わせで実施しようとする政府・厚労省を強く糾弾し、日常化している長時間労働を抑制する実効力ある施策を要求するものです。 労基法「改正」案要綱と同時に提示された「労働契約法案要綱」も、大きな問題を持つものです。そもそも労働契約法は、労使対等の立場で労働条件についての交渉・合意がなし得る要件、契約上の権利義務を明確に定め、使用者の労働者に対する権利濫用を未然に防ぐものであるべきです。しかし要綱は、労働者と使用者が対等の立場で合意に基づき締結、変更すべきものと原則を示す一方で、使用者が一方的に作成・変更できる就業規則に労働契約としての法的効力をもたせ、就業規則による労働条件の決定・変更を可能とするものであり、きわめて重大です。要綱は、労働者との合意なく、就業規則変更により労働条件の不利益変更はできないとしつつ、労働者の不利益の程度、変更の必要性、労働組合との交渉状況などに照らし「合理的」ならば、労働契約の変更を認めるとしています。これでは、使用者が「合理的」として労働条件を一方的に不利益変更することが常態化している現状を、法的に容認することになりかねません。こうした要綱を法案化することは断じて認められません。また、重要課題として提示されていた、過半数代表者制度、整理解雇および普通解雇、均等待遇原則、就労請求権、有期雇用契約規制などに関する整備は、要綱ではまったく図られておらず、極めて不備なものです。 私たちは、労基法改悪や問題の大きい「労働契約法」新設等による労働法制の改悪に断固反対します。 |