2014総選挙に向けた公開質問と各党の回答


日本私大教連中央執行委員会は、衆議院選挙に向けて、私立大学・短期大学に関する基本的政策について大きく5つの分野の7項目に絞り各党に対し公開質問を行いました。11月26日付で各党に質問状を送付し、12月9日現在で自民・共産・公明・社民・生活・民主の6党から回答がありました(回答のあった順)。
以下、質問事項をクリックすると回答一覧を見ることができます。

【質問1】 私立大学等経常費補助の拡充について

 私立大学の経常費に対する国庫補助である私立大学等経常費補助は、1975年の私立学校振興助成法制定時の参議院附帯決議において、経常費の2分の1補助を速やかに達成することが要請されたにもかかわらず、実際の補助率は1980年の29.5%をピークに減少の一途をたどり、2012年度にはわずか10.4%にまで落ち込んでいます。政府は「基盤経費を確実に確保する」と枕詞のように述べていますが、予算削減に歯止めがかかりません。私立大学等経常費補助の拡充について、貴党のお考えをお示しください。

【質問2】 公的奨学金制度の拡充について

①給付型奨学金の創設について

 文部科学省は2012(平成24)年度予算概算要求において、大学生を対象とした給付型奨学金を初めて計上しました。しかし制度創設はしりぞけられ、それ以来、文科省は概算要求で給付型奨学金の予算要求を行っていません。ご案内の通り、OECD加盟国で高等教育の授業料が有償でかつ給付型奨学金制度を整備していないのは日本のみであり、国際的にみても非常に後進的です。大学生を対象とした給付型奨学金制度の創設について、貴党のお考えをお示しください。

②無利子奨学金の大幅拡大について

 日本育英会法(1984年)および独立行政法人日本学生支援機構法(2003年)制定時の国会附帯決議はいずれも、無利子奨学金を根幹または基本とすることを求めていました。政府は2012(平成24)年度予算においてようやく無利子奨学金の大幅な拡大方針を打ち出し、2013年度予算では有利子奨学金が制度創設以来はじめて縮減に転じました。しかし、2014年度予算においても貸与人員は無利子44万1千人、有利子95万7千人と、なお有利子奨学金が主となっています。無利子奨学金の貸与人員を大幅に拡大することについて、貴党のお考えをお示しください。

③無利子奨学金の私立国立間格差の是正について

 現行の無利子奨学金の採用状況には、私立大学と国立大学の間に大きな格差があります。例えば、入学者数に占める無利子奨学金採用人数の割合は、私立大学では12.2%であるのに対し国立大学では20.7%と1.7倍もの開きがあります(2012年度)。このため私立大学では、貸与基準に合致していても無利子奨学金を受給できないことが珍しくありません。このような格差を生じしめる合理的根拠はまったくなく、早急に解消すべきものと考えます。無利子奨学金の採用における私立国立間の格差について、貴党のお考えをお示しください。

 

【質問3】 各大学が実施する授業料減免事業に対する公財政支援について

 経済的に就学困難な学生を対象として各大学が実施している授業料減免等に対して、政府は私立大学に対しては経常費補助を通じ、国立大学に対しては運営費交付金を通じて、財政支援を行っています。しかしその額には私立国立間で非常に大きな格差があります。2014年度予算では、私立大学に57億円(対象学生数約5.4万人)、国立大学には254億円(同約5.0万人)が計上されています。私立大学と国立大学の学生数の比率(77:23)に鑑みれば、極めて重大な格差が政策的に設けられていると言わざるを得ません。経済的困難を抱える学生に対する支援という意味では、私立も国立も同等であるべきです。授業料減免事業に対する私立大学への支援を大幅に引き上げることについて、貴党のお考えをお示しください。

 

【質問4】 高等教育の漸進的無償化について

 日本政府は2012年9月11日付で、国際人権規約社会権規約第13条2項c(いわゆる高等教育の漸進的無償化条項)に対する留保を撤回しました。これにより政府は「無償教育の漸進的な導入」に向けた具体的な政策立案・実施の責務を負うこととなりました。高等教育の漸進的無償化に関する具体的施策について、貴党のお考えをお示しください。

 

【質問5】 学校教育法の改正に関して

 本年6月に成立した改正学校教育法は、これまで教授会が果たしてきた役割を否定するとともにその権限を縮減し、大学自治を大きく侵害するものと私たちは考えています。今般の学校教育法改正について、貴党がどのようにお考えになっているかお示しください。