4月28日、日本私大教連、全大教、公大連の大学教職員組合三団体は共同で、東日本大震災により被災した大学生・入学予定者の修学・就学の機会確保のために十分な措置を実施することなどを求め、文部科学省へ要請を行いました(要請書=下に掲載)。また、民主党、自民党の文教関係議員と面会し同要請内容の実現のために協力を依頼しました。

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2011428

 

文部科学大臣

  木 義  殿

 

日本私立大学教職員組合連合(日本私大教連) 

中央執行委員長  押 谷  一

全国大学高専教職員組合(全大教) 

中央執行委員長  中嶋 哲彦

全国公立大学教職員組合連合会(公大連) 

 中央執行委員長  鈴 木 元

 

東日本大震災により被災した大学生・入学予定者の

修学・就学の機会確保に関する共同要請書

 

 311日に発生した東日本大震災は、東日本の広域にわたって想像を絶する甚大な被害をもたらし、被災者の安定した生活の確保、被災地の復旧・復興には相当の時間と経費を要することが明らかになっています。福島第一原子力発電所では放射性物質の漏出が収まらず、放射能汚染の拡大は近隣地域住民への避難勧告に留まらず国民生活全般に暗い影を落としています。

大学・短期大学においても、多数の在学生・入学予定者、保護者、教職員、施設設備が甚大な被害を受け、大学等の運営や学生等の学習活動にも多大な影響が生じています。なかでも被災した在学生・入学予定者が経済的理由を主因として修学・就学を断念せざるを得ない状況がすでに生じており、今後いっそう増加することは予想に難くありません。

 文部科学省は314日付で各国公私立大学長などに宛てた通知を発出し、日本学生支援機構の緊急・応急採用奨学金制度の周知や、被災した学生等の修学機会を確保するための「配慮」などを求めました。しかし、災害の規模や罹災状況を鑑みれば、緊急・応急採用奨学金や各大学等独自の支援に依拠したこうした「通知」のみではあまりにも不十分です。

この数年来、国立大学運営費交付金や私立大学等経常費補助といった基盤的経費の削減と予算配分の重点化、また地方自治体の財政悪化などにより、国公私立大学の財政基盤は非常に脆弱になっています。私立大学に至ってはその約4割で帰属収支差額がマイナスとなっており、とりわけ被災した東北地方の私立大学の大半が厳しい財政状況に置かれています。私立・国立大学については経常費補助もしくは運営費交付金の中で、経済的に修学困難な学生を対象とした授業料減免事業への支援経費が措置されていますが、2011年度予算では私立49億円、国立225億円にとどまり極めて不十分な額です。

 「学校基本調査・平成22年度版」によると、青森・岩手・宮城・福島・茨城5県の高校出身者の大学・短大への入学者だけでも43,441人に上ります。今年度の入学予定者もこれに近い数であると予測され、在学生と合わせれば17万人を超えるものと推計されます。上述した授業料減免事業支援の対象学生数は2011年度予算で私立3.3万人・国立4.2万人、計7.6万人(大学院生含む)でしかありません。各大学等独自の支援制度や自発的な努力のみをもって被災した学生等の修学・就学の機会を確保することは極めて困難です。

被災した学生等への支援の内容や規模が個々の大学等の財政状況によって左右されることは明白であり、十分な支援を実施できない大学等が多数現出することは容易に想定できます。さらに付言すれば、日本学生支援機構の緊急・応急奨学金はすべて貸与制で、卒業後には多額の借金となるものであり、多大な経済的損失を被っている被災者にとって支援となり得ないことは言うまでもありません。

法令上、国公私立大学は同等の大学と規定されており、そこに学ぶ大学生も設置者の違いに関わりなく同等の大学生です。それは短期大学や高等専門学校でも同様です。したがって、被災した学生等がどこの大学に在籍するか、どこの大学に進学するかにかかわらず、同等に修学・就学の権利が保障されなければなりません。

 今般の大震災は、従来の災害の「想定」をはるかに超え、まさに「国難」ともいうべき様相を呈しています。被災した学生等の修学・就学の機会を確保することについても、各大学の努力に委ねるのではなく、被災者支援、復旧・復興施策の中に明確に位置づけ、政府の責務としてこれまでの制度の枠にとらわれない対応策を早急に構築し実施することが必要です。

以上の趣旨から、私たちは下記事項を緊急に実施するよう要請します。

 

 

 

1.被災した在学生・入学予定者の修学・就学の機会を確保するために、大学・短期大学・高等専門学校で国公私立の設置者の別なく同等の学費減免を実施できるよう、必要な予算を措置すること。

 

2.被災した在学生・入学予定者を対象とした給付制奨学金を緊急に措置すること。

 

以上