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国際人権規約・高等教育無償化条項の留保撤回を!
日本政府は、国際人権規約「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(社会権規約。A規約とも言われる)を1979年に批准しましたが、そのうち、高等教育の漸進的無償化を定めた第13条2項(c)をはじめ、4つの条項について留保し続けています。 |
国際人権規約「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」第13条
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1 この規約の締約国は、教育についてのすべての者の権利を認める。締約国は、教育が人格の完成及び人格の尊厳についての意識の十分な発達を指向し並びに人権及び基本的自由の尊重を強化すべきことに同意する。更に、締約国は、教育が、すべての者に対し、自由な社会に効果的に参加すること、諸国民の間及び人種的、種族的又は宗教的集団の間の理解、寛容及び友好を促進すること並びに平和の維持のための国際連合の活動を助長することを可能にすべきことに同意する。
2 この規約の締約国は、1の権利の完全な実現を達成するため、次のことを認める。 (a) 初等教育は、義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとすること。 (b) 種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。 (c) 高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。 (d) 基礎教育は、初等教育を受けなかった者又はその全課程を修了しなかった者のため、できる限り奨励され又は強化されること。 (e) すべての段階にわたる学校制度の発展を積極的に追求し、適当な奨学金制度を設立し及び教育職員の物質的条件を不断に改善すること。
3 この規約の締約国は、父母及び場合により法定保護者が、公の機関によって設置される学校以外の学校であって国によって定められ又は承認される最低限度の教育上の基準に適合するものを児童のために選択する自由並びに自己の信念に従って児童の宗教的及び道徳的教育を確保する自由を有することを尊重することを約束する。
4 この条のいかなる規定も、個人及び団体が教育機関を設置し及び管理する自由を妨げるものと解してはならない。ただし、常に、1に定める原則が遵守されること及び当該教育機関において行なわれる教育が国によって定められる最低限度の基準に適合することを条件とする。 |
国際人権規約批准承認時の国会審議での外務大臣答弁(1979年)
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○土井たか子委員
ただしかし、先ほど来一般論としてお尋ねした限りにおいても、人権規約本来の、規約、条約としてある姿とわが国がいま、切り捨てた部分を除外して考えておる条約、人権規約の姿とは違うわけなのですね。しかし、本来、わが国としてはこの人権規約という条約のあるべき姿全体について近づく努力というのは当然、これについて締結する以上は払わなければならぬ、これは原則論だと私は思うわけです。こういう点からいたしますと、いま留保したものについて留保を解除すべく努力をするというのは、これを締結するわが国にとっては、大切な、忘れてはならない努力義務だろうと思うのです。外務大臣、そういうふうにお考えになりますね、いま首を振っていらっしゃいますが。 ○園田直国務大臣
これは、将来にわたって大事なことでございますから、外務大臣から発言をしておきたいと存じます。 (衆議院―外務委員会―4号(昭和54年03月16日)議事録より抜粋) |
国際人権規約批准承認時の国会附帯決議 (1979年5月8日
衆議院外務委員会)
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経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の締結について承認を求めるの件及び市民的及び政治的権利に関する国際規約の締結について承認を求めるの件に対する要望決議
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日本育英会法案に対する附帯決議 (参議院文教委員会 1984年7月26日)
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政府及び日本育英会は、憲法、教育基本法の精神にのっとり教育の機会均等を実現することの重要性にかんがみ、育英奨学事業の拡充を図るため、左記事項の実現について適切な措置を講ずべきである。 |
経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約第16条及び第17条に基づく第2回報告(外務省仮訳文) (2001年)
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(3) 高等教育 我が国において、高等教育を利用する機会は、すべての者に対して均等に与えられている。 高等教育機関である大学への入学資格は、学校教育法により、高等学校を卒業した者、若しくは、通常の課程による12年の学校教育を終了した者又は監督庁の定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められた者に対して、性、人種、国籍等いかなる差別もなく認められている。 また、放送等を効果的に活用した新しい教育システムの大学教育を推進することによって、レベルの高い教育、学習の機会を広く国民に提供することを目的として、1983年に放送大学が設立され、テレビ・ラジオを中心とした多様なメディアを効果的に利用した高等教育を実施している。 さらに、大学の定期的な公開講座等により、すべての人に対して広く教育の機会が認められている。 能力を有しながら経済的理由により修学困難な者のために、日本育英会法に基づき、日本育英会が奨学金の貸与を行っている。また、日本育英会のほか、地方公共団体、公益法人等が奨学事業を行っている。さらに、国公私立の大学では、学生の経済的状況等により、授業料の減免が行われている。 高等教育の無償化については、下記2を参照されたい。
後期中等教育及び高等教育について私立学校の占める割合の大きい我が国においては、負担衡平の観点から、公立学校進学者についても相当程度の負担を求めることとしている。私学を含めた無償教育の導入は、私学制度の根本原則にも関わる問題であり、我が国としては、第13条2(b)及び(c)にある「特に、無償教育の漸進的な導入により」との規定に拘束されない旨留保したところである。 しかしながら、教育を受ける機会の確保を図るため、経済的な理由により修学困難の者に対しては、日本育英会及び地方公共団体において奨学金の支給事業が行われるとともに、授業料減免措置が講じられているところである。 なお、1995年の我が国における国と地方の歳出合計のうちの16.55パーセントが教育に費やされている。 |
経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会からの質問事項に対する日本政府回答(外務省仮訳) (2001年)
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T.社会権規約が実施されている一般的枠組み 問2.社会権規約の第7条(d)、第13条2(b)及び第13条2(c)への留保を維持する必要性について説明して下さい。これらの留保を撤回するために日本が計画しているタイムスケジュールを提供して下さい。
答 2.第13条2(b)及び(c)への留保 (1) 我が国においては、義務教育終了後の後期中等教育及び高等教育に係る経費について、非進学者との負担の公平の見地から、当該教育を受ける学生等に対して適正な負担を求めるという方針をとっている。 また、高等教育(大学)において私立学校の占める割合の大きいこともあり、高等教育の無償化の方針を採ることは、困難である。 なお、後期中等教育及び高等教育に係る機会均等の実現については、経済的な理由により修学困難な者に対する奨学金制度、授業料減免措置等の充実を通じて推進している。 (2) したがって、我が国は、社会権規約第13条2(b)及び(c)の規定の適用にあたり、これらの規定にいう「特に、無償教育の漸進的な導入により」に拘束されない権利を留保している。 |
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経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会 第26(特別)会期 2001年8月13日-31日
規約第16条及び第17条に基づく締約国により提出された報告の審査 経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会の最終見解 2001年9月24日
C.主な懸念される問題 10. 委員会は、締約国の規約第7条(d)、第8条2項、第13条2項(b)及び(c)への留保に関し、委員会が受け取った情報によれば、それらの権利の完全な実現はまだ保障されていないことが示されている一方、締約国が前述の条項で保障された権利をかなりの程度実現しているという理由に基づいて、留保を撤回する意図がないことに特に懸念を表明する。 (外務省注:第8条について留保しているのは、第2項ではなく第1項(d)である。)
E.提言及び勧告 34. 委員会は、締約国に対し、規約第7条(d)、第8条2項、並びに第13条2項(b)及び(c)への留保の撤回を検討することを要求する。 62. 委員会は、締約国に対し、社会の全ての層に最終見解を広く配布し、それらの実施のためにとったすべての措置について委員会に報告することを勧告する。また、委員会は、締約国に対し、第3回報告作成準備の早い段階において、NGO及び他の市民社会の構成員と協議することを勧奨する。 63. 最後に、委員会は、締約国に対し、第3回報告を2006年6月30日までに提出し、その報告の中に、この最終見解に含まれている勧告を実施するためにとった手段についての、詳細な情報を含めることを要請する。
(*段落冒頭の数字は段落番号を示す。63段落が最終段落。) |